高知県立担い手育成センターの取り組み/高知県 児玉幸信さん

こうちアグリスクール

新規就農者を移住者の立場でサポート

高知県四万十町にある高知県立農業担い手育成センターで、研修生の就農支援を担当する児玉幸信さんは長崎県出身。大学進学を機に高知にきました。その後、高知で家庭を持ち、現在は、農業担い手育成センターで就農支援に奮闘する2児の父。児玉さんが高知に根を下ろした理由はただ、空と海が青かったから。

児玉さん

そんな児玉さんが働いている高知県立農業担い手育成センターのスタッフは、すべて農業関係者もしくは経験者。児玉さんも大学時代からの農業に携わってきました。農業と真剣に向き合い、常に最先端の技術を取り入れながら指導にあたっています。

就農を志すみなさんにおススメする学びの流れは、

  • こうちアグリスクールで就農までの流れを学び
  • こうちアグリ体験合宿で農業を体験
  • 就農を心に決めてから就農希望者長期研修で必要な知識と技術を身につける

の3ステップ。「私も移住者なので、高知に移住して新規就農したいと思っているみなさんに自らの経験を話すこともできますし、相談に乗ることができます」と児玉さん。


新規就農までのオススメする学びの3ステップ


まず、ステップ1として、新規就農を考えている人におすすめしたいのが、仕事をしながら気軽に学べる“こうちアグリスクール”。東京・大阪・高知の3会場で開催されていて、専門スタッフが授業を受け持ち、農業の基礎を押さえながら、時には最先端の話も聞けることもあります。実際に卒業して農業をしている先輩や、異業種から移住して農業を始めた人を呼び、生の体験が聞けます。こういう話は、知りたいけれどインターネットではなかなか出てこないし、あったとしても自分の知りたいところは見つからない。移住した後のこと、農業を始めるまでのこと、経験した人から話が聞けるからイメージはすごくつかみやすくなっています。そして必ず質問タイムを設けますので、何でも直接たずねることができます。

児玉さん

希望者には個別就業相談が用意されていることも他とは違う魅力の一つとなります。高知県に土地を持ってて農業継がなきゃいけないんだけど、何から始めたらいいかな?という人には、まずここから始めようか!とか、〇〇という窓口を訪ねてみようか!とか、相談者はひとりひとり事情が異なりますから、相談者に合わせたアドバイスをしています。さらに今年度から土曜昼間コースに加え、平日夜間コースが開催されるので、仕事が終わってから平日夜間のコースを受けることができるようになりました。

次にステップ2として、“こうちアグリ体験合宿”こちらは金曜日から日曜日までの2泊3日高知県立農業担い手育成センター内(高知県)での短期研修となります。高知県内の産地訪問、農作業体験や農業機械操作実習と、内容は盛りだくさん。中でも目玉企画は産地訪問。その季節に合わせてテーマを決めて、農業担い手育成センターの卒業生をはじめ、移住就農を果たした人、地域をけん引する人など、農業の現場で頑張っている人のところを2~3か所訪問します。農業は地域・暮らしと密接に関わっているので、産地をおとずれて、自分の目でみることは欠かすことができません。

そしてステップ3は農業の実践力を身に付けられる“就農希望者長期研修”
就農希望者長期研修は3ヶ月~最長2年までのコースがあります。研修生は仕事を辞め、人生を賭けて引っ越してくる人がほとんどなので、決める前にじっくり考えて入学してもらいたい。その分、熱意には熱意で返します。と児玉さんはいいます。

就農を決める前に向き合う時間が大切

いざ農業をやろうと覚悟を決めたとき、どこで学ぶかというのはとても大事です。高知県立農業担い手育成センターの就農希望者長期研修を受けることはたくさんのメリットがあります。例えば、高知県に縁が全くなくても、住む地区も、作りたい品目も決められていない段階でも大丈夫ということは他にはないメリット。

ナス

実際にナスを栽培しようと決めるまでには、ナスに触ってみたいですし、トマトを作りたいっていう人にはトマトの育て方を知ってもらいたいし、キュウリならキュウリのガサガサした感じを試してもらって、とか、1つ1つの作物の特徴や育て方そのものが、カラダに合うかどうか、一生付き合っていけるかどうかを本人が見極めることができる。その上でどの産地でどの品目で就農するかを決めてもらうことができます。研修生には宿泊費無料の宿泊施設をセンターの隣に完備。研修生はここから通うことができます。さらに、卒業生とのネットワークがあることが、大きなメリットとなります。

この地は、昭和初期から現代まで、名前を変えながら80年以上長らく高知県の農業の担い手を育ててきた場所。卒業生が県内の各地にいるので、頼って行くことができます。そして、卒業しても、分からなくなればまたいつでもセンターを訪ねて、復習することも可能です。農具を触ったことのない人には鍬の使い方も教えるし、定植から収穫まで、一作をぐるーっと学ぶことが出来ます。軽く体験して終わりではない。それが長期研修の強みです。またここでは、なんでそうなるのか?と、自ら考えることを重視しています。作業じゃなく研修であるという意識は職員にも研修生にも共通しています。

長期研修卒業後は、条件が整えば即就農することも可能なのですが、農家での研修を1~2年することをオススメしています。農業担い手育成センターの畑はこの手の施設にしたら非常に広いけれど、農家の畑の規模にはかないません。ゆうに4~5倍はある。そういうところを回していくスピード感や経営感覚、農家という暮らし、田舎という暮らし、さらに、地域に溶け込んでいくということがどういうことかということを体得してもらいたいんです。農業担い手育成センターでは、基礎も先進技術も教えられるけれど、実践するという面は農家が強い。かといって、農家は教えることが上手とは限らなくて今まで勘でやってきた人もたくさんいます。農業担い手育成センターでは、勘に頼らない農業を教えますが、農家の勘も農家の日々の積み重ねて生まれたもの。勘から生まれたノウハウも、日々のデータの数値で見ることも大事。就農後に、自分の農業に合わせて両方を取り入れていくことが、就農に役立つと児玉さんは教えてくれました。

担い手センター

児玉さんの将来の夢は、農業担い手育成センターの研修生が全員就農して、にっこりと笑えること。みんな人生を賭け、大きな夢を持ってここにくるので、夢を精いっぱいサポートしたい。児玉さんは持ち前の熱いハートでいつもそう考えています。





高知県
高知県は、小規模な農地でも収益性の高い、ビニールハウスを利用した野菜栽培が盛んです。就農のための情報収集と準備のために、高知県の農業を学んでみませんか?