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労働環境や福利厚生の充実「農業を産業」へ

農業経営者の方に対し、農業の雇用管理の知識・経験が豊富なアドバイザーが無料で研修会や個別相談を行います。

労働環境や福利厚生の充実「農業を産業」へ

背景と課題


従業員の将来の不安を知り、社会保険への加入など雇用面の改善に取り組む。


レンコンを生産している株式会社れんこん三兄弟の代表取締役の宮本貴夫さん。就農当時は家族だけで農業を行っており、農繁期は7~19時という時間で働いていました。幼いころから両親が水稲などを中心とした農業をしていたため、農繁期には朝早くから遅くまで働いていた姿をみながら育ったこともあり、農業というものは厳しい労働環境は当たり前という考えがどこかにありました。


従業員を雇用するようになった当初は、福利厚生もあまり整っていない状況で、数人いた社員の中の1人に「家族もいるためこのままだと、家族に対して将来が不安です」と言われた言葉がきっかけの1つになり、従業員が抱える将来の不安に対して、解消できることがあれば対応しようと思い、個人年金から厚生年金に変更し、社会保険の加入や有給取得など、福利厚生の充実を重視しようと考えます。





実際に行った対策


福利厚生を充実させ、人材育成の面では年度の目標設定や作業のマニュアル化を充実させた。


宮本さんと役員の兄弟2人も就農前は他の業種の会社に勤めていた経験から、自分たちが農家の家に生まれて、普通に育ててもらったのに、なぜか“農業” が外から見てみると労働環境や福利厚生の面でも産業になれていないという課題に気がつき、「農業を産業に」というスローガンをかかげ、れんこん三兄弟は再出発しました。農業では珍しい終身雇用を目指して、福利厚生の充実と人材育成・定着のための対策をしています。


また、チームで働いてもらいたいという思いも強く、農業が好きで、コミュニケーション力がある人を基準に採用しています。入社後は、1年間の個人目標の設定を各自で行い、3ヶ月に一度の面談時に、どれくらい目標に対して取り組めているかなどを確認しながらフォローアップします。内容は収穫量だけではなく、例えば、栽培関係の本を何冊読んだか、コミュニケーション力を磨くために何をするか、他のレンコン農家さんの知り合いを何人つくるか、など社員が中心の組織的農業へのチェンジしていくために、経営指針を決め、全員の向く方向を揃えて進んでいこうとしています。農業は入ってから数年で独立するような、研修的な入り方ではなく、定年まで働けるような農業法人としてイメージを変えていきたいと考えています。





人材育成・定着の面では、レンコンは1年に1回の作物なので、経験の蓄積のスピードが他の業界と比べて遅く、「入りたての社員が不安なく先輩たちのように効率的に動けるようにするためにはどうすればいいか」、などの課題もあり、新しく入る従業員が働きやすい環境づくりに取り組み始めました。ある時「作業効率を上げたいが、先輩たちのようにはできない」という社員の声を受け、技術に対する不安や悩みの解消のため、作業手順をわかりやすくまとめたり、作業を動画撮影したものをマニュアル化し、わからない手順などを具体的に映像で見られたりするように改善するなどの取り組みをしました。





取り組みの結果


1人1人に寄り添うような関係性を重視


兄弟3 人で始めましたが、今は総勢20人規模となりました。人が増えれば、雇用を維持するために売り上げを上げなければいけないと取り組んできました。そして、いつしか周りかられんこん三兄弟のところは定着率が高いと言われるようになりました。1人1人に寄り添い、不安や悩みがあれば一緒に解消するための道を考える。そうした取り組みが従業員の技術力・モチベーションアップや定着につながっています。最高齢の80代のパートさんにも、これからも楽しく働いていただけるように、それぞれの適材適所を用意する体制を整えています。





その後(会社・従業員の声)


従業員の稲永さんは、「他の会社も体験しに行った中で、この職場の教え方が一番丁寧で雰囲気が良かった」という理由で入社したそうです。動画などのマニュアルがしっかりしているので農業が初めてでも、不安にならずに働けて助かっているといいます。これまでは仕事を覚えるのに精一杯でしたが、これからは自主的に会社のために行動していきたいと話してくれました。れんこん三兄弟では指定された品種を作る農家ではなく、「私たちがおすすめする一押しはこれです」と、自信をもってお勧めできる提案力がある農家として、これからもおいしいレンコンを育てていきます。