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インターンシップ制度導入と労働環境の改善による定着率向上

農業経営者の方に対し、農業の雇用管理の知識・経験が豊富なアドバイザーが無料で研修会や個別相談を行います。

インターンシップ制度導入と労働環境の改善による定着率向上

背景と課題


人手不足を経験し、従業員の採用方法の見直しや雇用後の労働環境改善を実施


長野県北佐久郡御代田町で、主にレタスの生産を行う株式会社ベジアーツ代表取締役の山本裕之さんは、正社員募集を始める7年ほど前までは、従業員の採用・定着ともにいろいろと課題を抱えていました。退職者が後を絶たない、求める人材が集まらない、そもそも応募がない…。





農業の分野は全般的に人手不足であり、求める人材は簡単には見つかりません。そのような状況を変えるため、ベジアーツでは、従業員の声をヒヤリングしながら、雇用面の待遇や採用方針のひとつひとつを見直し、働きやすい職場環境に変えていく努力をしてきました。


実際に行った対策


時間と給与のバランスだけではなく、全員で取得する長期休暇やHP を利用した積極的な情報発信の実施


従業員の定着を図るため、まず着目したのは待遇でした。農繁期と農閑期では、月当たりの就業時間に大きな差がうまれます。その差を給与に反映させることに着目し、一律だった基本給を2段階に変動させました。これによって、労働時間と給与のバランスが合うようになり、従業員の定着度が上がっていきました。


企業側としては、年収としてだけ見てしまいがちですが、入社した時期によっては、従業員の不満足要因につながりやすいことに気が付いたからです。一方、農閑期には従業員全員に、3週間の長期休暇を取れるように勧めています。まとまった時間を確保することで、従業員が計画的にその時間を過ごすことができます。リフレッシュする時間として過ごす人もいれば、社外研修に参加する人もいます。海外から働きにきている人は、この期間を利用して、母国に帰省することができ、従業員全体の満足度に繋がっています。





また、就業時間に対する捉え方も変えていきました。特に、農繁期には作業の区切りが難しく、定時を過ぎても従業員が残りがちでしたが、定時退社を促すことで終了時間の見通しが立ち、作業効率も向上しています。当日急に残業になり、終わり時間が見えない働き方をやめ、残った作業は、翌日以降の計画として組み込み、必要な作業は朝早く出勤するなど、事前に出勤シフトを決めることで、働きやすい環境に整ってきました。





農業を就職先の一つとして検討してもらうためインターンシップを開始しました。インターン生は、農業法人以外の就職先も検討していたり、地方での暮らしに関心があったりと志望する背景はさまざま。そのため、現場で作業を体験してもらうだけでなく、事前課題やふり返りシートの提出を求めています。インターン生に、参加目的を意識してもらい、限られた時間の中でも、より多くのことを吸収してもらえるように工夫することで、今後の農業分野への就職活動にあたって誤解の防止になると考えています。


さらに、情報発信にも力を入れています。ホームページ上に掲載する記事は年間100本。専任の広報担当が、従業員にインタビューをしたり社内行事を取り上げたりと、写真と共にアットホームな雰囲気を伝えています。特徴的なのは、周辺地域のお店やイベント情報を従業員目線で掲載していること。農業法人への就職は、移住を伴う場合も多いため、生活環境もイメージしてもらいやすいように心がけています。


取り組みの結果


就農希望者も増え、人が集まる企業へ


求人活動に向けた新しい取り組みや労働環境の整備など、従業員の意見を取り入れながら試行錯誤した結果、現在では就農希望者も多数集まるようになりました。とりわけ、パートタイムの募集は人気があり、リピート率がとても高い状況です。就業時間のメリハリが働きやすさに反映されている様子がうかがえます。





その後(会社・従業員の声)


インターンシップを企画・運営する従業員の荒井さんは、「気軽に参加できる土壌をつくりたい」と言います。目先の採用も重要ですが、インターンシップで得た体験が、何かのきっかけでその人自身の支えになれば嬉しいとのこと。実際に、従業員も中途採用が多くご縁はいつ結びつくか分かりません。株式会社ベジアーツは、「労働力の確保」という考え方から、理念に共感し、会社と共に発展できる人材を育てていくというスタイルに切り替え、従業員一人ひとりが日々挑戦を続けています。