「宝石とまと」は新しい提案の形/熊本県 宮崎修太さん

くまもと農業経営塾

おいしくて新鮮な「小鈴(こすず)」

熊本県八代郡氷川町にある、ミヤザキファームの宮崎修太さんは、メロンやトマトを中心に栽培しながら、赤いプチトマト「小鈴」、カラフルで種類も大きさも異なるミニトマトを詰め合わせた「宝石とまと」を育てる農家さんです。ミヤザキファームにはハウスが5ケ所あり、主に「小鈴」を育てています。

宮崎さんの家はもともとイ草農家でした。「祖父がイ草農家で、父親が20代後半から、メロンやトマトを栽培するようになり、私は3代目として、実家の農業を受け継いでいます。」と宮崎さん。

ミヤザキファームは、直接の契約販売がメインなので、お客様に一番おいしくて、新鮮なものを届けたくて「小鈴」を低農薬で栽培しています。経営の柱もあくまでも「小鈴」をおいしくつくること。宝石とまとは、その中の一部として始めたもの。宝石とまとを大量につくることは難しいですが、彩りや鮮やかさを、お客様にアプローチできたら、育てている私たちも楽しいので、普通のトマトとは違う提案ができると思い続けているそうです。

ブライダルとコラボ出来るトマト

宮崎さんが、宝石とまとを栽培し始めたのは6年ほど前。宝石とまとは、ネーミングどおりに見た目もきれいでいろんな味があり、何よりもお客様が喜んでくれます。宝石とまとは、お客様からの要望に合わせて黄色のミニトマトを育てはじめたことがきっかけです。それから少しずつ品種や色を増やしていき、容器、デザイン、名前が決まっていったそうです。

「例えば、宝石とまとを首飾りに」と、宮崎さんは考えました。

年末に熊本市内で行われた、あるブライダル関係企業さんのイベントでのこと。宮崎さんは、せっかく農家として参加するなら、なにか面白いことがやりたいと考え、トマトをあしらったウエディングケーキ作って展示しました。真っ白なクリームに、色鮮やかな宝石とまとが飾られた3段1mのケーキが用意されました。

「自分は農家なので、農業しかできない。野菜専門のポタジエという、野菜スイーツ専門の友人が東京から熊本に移住してきているので、その人にお願いしてケーキやクッキーを作ってもらい。撮影はカメラの好きな友人にお願いして、動画も別の友人にお願いするなどして、野菜のこと以外は、周りに手伝ってもらっています。」そのイベントの風景をまとめた動画を現在作成中で、ミヤザキファームの活動をSNSなどで発信しようと準備しています。

宝石とまとは、農業以外の分野の人とコラボできるので、そこは続けてやっていきたい。通常の流通にのせるのではなくて、ブライダル業界とからめたりして、農業のプラスαの魅力を伝えたいと宮崎さんは考えています。

人との出会いで活動範囲が広がる

宮崎さんは、まもなくブラジルに農業研修に行く予定です。熊本県はブラジルとの文化交流の一環として農業研修生事業を行っており、選ばれた数名の若手農家がブラジルに研修に行ける制度があります。ずっと行きたいと思っていた宮崎さんの背中を押してくれたのは、熊本県が主催する「くまもと農業経営塾」で知り合った先輩。宮崎さんは、くまもと農業経営塾の4期生です。

経営塾に参加して

「くまもと農業経営塾には、地元の八代4Hクラブ(青年農業者クラブ連絡協議会)の事務局をしている県の職員に勧められて参加しました。」
「講義の中で経営や農業の基本を学ぶだけではなく、人の出会いがあったことが大きかったです。今回ブラジルの農業研修参加へ、背中を押してくれた先輩との出会いや、別の期の人ともつながりを持てたことがありがたいと思っています。」

「経営塾に参加する前、トマトの生産や宝石とまとを育てることは決めていましたが、農業経営の進め方や農業の方向性など定まっていませんでした。講義の中で、自分の家の強み・弱みから分析して、なんのために農業するか、それが定まったら、実現するためには何をしていくべきか、を改めて計画することが出来ました。そうした経営の一連の考え方がすごくためになりました。」

改めてじっくりと考える時間を持てたことが大きかったといいます。

「講義の中で、面積と売り上げを増やす事業計画を立て、実現するためには、ハウスをこれだけ建てると量が増える、次に、売り先が必要になるのでその候補を選ぶ。卒塾後、すでにハウスを建てるなど実現しています。経営塾に参加したことで、意識が変わりました。何のためにと考えるようになり、目的を持つようになったこと。無駄が少なくなり、考えが絞られてきたことで、すべきことも絞られてきたと思います。」

これからの塾生にむけて

「若い人には、とにかく経営塾に行ってきなさい!ですね。行ってから考えればいいと思います。同期だけではなく、多くの卒塾生とのつながりも生まれます。いろんな栽培や、販売をしている人と繋がれることや、相談できる人が出来る。目標にしたくなる先輩に知り合うことができます。」

「経営塾の講師として、全国からすごいみなさんが来てくれることがありがたいと思います。経営塾でしか知り合えない講師との出会いがあり、卒塾後に、講師のところへ視察に行かせていただくことができて、勉強をさせてもらっています。」

今後の宮崎さんの目標は

「毎年、県内の農業系の学校や地域の小中学校から講演に呼ばれています。講演を受けることで、ミヤザキファームや宝石とまとのことを広く知ってもらえるように活動しています。そうした講演を聞いた人から新しいお話をもってきてもらえたりしています。販売・生産・雇用の面を含めて経営をしっかりとして、宝石とまとで新しい農業の良さを伝える展開をしていきたい。真似しづらいものを提案したい。」と宮崎さんはこれからも独自性を持った農業経営を進めていきます。


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