サラリーマン時代から35歳で起業をしたい、という想いがあり最初は飲食業を志しましたが、何かが違うと模索する中で出会ったのが農業。研修を受けてみると、土の上に立ち作業をする際の足裏の感触、かく汗も心地よく就農を決意しました。場所や作物にこだわりはなかったにも関わらず、農地探しに苦戦。色々なご縁が巡りに巡って、研修先の隣のアスパラガス農家の方が引退するからやらないか?という話があり、引き継ぐ形でスタートしました。
経営スタイルをきちんと考えるようになったのはまだ最近のこと。最初の頃は、農業技術の習得と来訪者の対応に追われていましたが、農園まで買いに来てくれたり、この福吉地区に直売所があることで、販路が確保できたことは幸いでした。農業はどうしても季節ごとに作業量に差が出てしまいます。その中でも、農閑期をなくし、常時雇用可能な形で農業を続けることを目指しています。「すごい儲けよう」というよりは、しっかりと休みを確保しつつ、地域資源である人も土も大事にする農業をしたいと考えています。
しばらくは今以上に人数を増やしていくつもりはありませんが、地域コミュニティ活性のためにも、いちごの観光農園をつくろうと準備を進めています。地域の基幹産業である農業を活かして、地域の人と都市部の人たちと一緒になって体験ができる場をつくっていきたいと考えています。今後はアスパラガスにかけているリソースと新規事業とのバランスをとる必要が出てくるかもしれません。
譲ってもらった農園で、それまで働いていた方1名と最初から一緒にやりながら、3年で追加投資をして当初の倍以上の面積まで拡げています。アスパラガスは最初の1年目は収穫できないため、その間に働き手を探し、4年目からは7~9名程度で栽培をしています。農業技術を習得しながら、販路確保や拡大、労務管理は大変なことではありますが、会社員時代の経験を活かしながら取り組んでいます。最初は分からないことも多く大変なこともありましたが、経験したことに無駄は無いと感じています。
ここまでやってこられたのは運が良かったというのが本音です。「農地が見つからなければ諦めよう…」と考えていたタイミングで研修先の隣が空き、師匠の横で始められたことで、何か分からないことがあっても師匠をはじめ、就農当初からつきあいのある周りの方々に支えてもらえた。周囲の支えがあったから、これまで続けられました。二代目のような気負いは無いものの、地域の後継者として認めてもらえるようになってきたかなという実感と共に、着実に農家として成長を遂げています。
住所 | 福岡県糸島市二丈ヲシマ6311 |
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代表者名 | 藤井眞二 |
作目等 | アスパラガス |
従業員 | |
URL | http://fujii-green-farm.com/ |
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