浩子さんが初めて農園に訪れたのは、当時経営していた飲食店のデザートに使うハーブ探しのためでした。「土とハーブの香りに感動、このハーブを食べ続けたい」育てられているハーブや野菜に心を掴まれました。その時は、自分がシモタファームを経営することになるとは夢にも思ってもいませんでした。しかし、辰樹さんと結婚、後継者として事業継承することも決まり、経営に参加することになると「良いものを作り続けるだけ で生き残れるのだろうか」と不安が募りました。一方、良いものだからこそ、知ってもらえれば売り上げや事業拡大につながるという自信もありました。前職の経験から、人に知ってもらうための動きをつくれば会社がもっと良くなると考えました。
販路や会社の規模拡大のために仕組みを整えて未来に繋げる。浩子さんの入社により、営業や学生インターンシップ制度の見直しなど、それまで手の届かなかった部分が動き始めます。日本で初めてハーブを栽培し販売を始めた先代は0→1の価値を築きました。誕生したハーブをフル活用し、1→10、10→100と販路を増やし、1人でも多くの方に知って使ってもらうことを目指しました。
シェフの想いやお店のコンセプトを知りたい、自社ハーブや野菜の特徴、栽培の苦労や喜びを伝えたいと考え、お客様のレストランやカフェに出向きます。メニューの開発にも携わり、新たな品種のハーブの提案や、作付けしている季節野菜の情報を共有します。「消費者により良いものを届けたい」作り手同士が同じ志を持つチームになれるよう、農場にあるものとお客様が求めているものを把握し、繋ぐのが役割です。
「ハーブに馴染みのない消費者にも知ってもらいたい」自社の高品質な土を証明するため、イチゴ栽培も始めました。一般的に、農薬なしでは育てられないといわれているイチゴを無農薬・無化学肥料の土で育てられれば、訴求力のある商品になると確信がありました。完成した苺は、G20会議の会食にされたほか、東京都内のカフェでも提供されています。
辰樹さんが早い段階から、技術的なことに専念できる環境にあったことは、夫婦で事業継承する上での強みです。辰樹さんが生産現場でより良い商品づくりを、浩子さんが広報・営業をと、得意を活かし自社の魅力を発信します。先代が築いてきた知見や繋がりを大切な財産にしながら、新しい世代で拡がっていくシモタファーム。家族やお客様、大切な人を想う食卓に、シモタファームで育ったハーブや野菜が爽やかに寄り添います。
住所 | 茨城県取手市貝塚192 |
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代表者名 | 霜多浩子 |
作目等 | ハーブを中心に年間約120種類の野菜を栽培 |
従業員 | |
URL | https://shimota-farm.com/ |
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