美味しいアスパラガスを安定して収量も確保出来るようになり、自ら販売を行っています。作物に、アスパラガスに自信があるからこそ出来ることです。主な販路はネット販売、レストラン、有名百貨店等、全国に広がります。販路の拡大は自分達で積極的に営業することなく美味しい「森のアスパラ」が縁を繋ぎ、広がっていきました。販売の梱包の際などには自分自身の客目線を忘れることなく、気を配ります。そうしてまたそれがお客様のリピーターへと繋がっていくのです。
元々はサラリーマンだった安東夫妻でしたが、ご主人が田舎暮らしを希望したことがきっかけで、田舎で出来る仕事と言えば1次産業だろうと、農業を選び就農することに。中山間地域への移住を決めて、栽培品目を検討するにあたり、佐賀県がアスパラガスの栽培全国2位であること、狭い耕作面積でも単収が良い作物であることから、栽培品目をアスパラガスにすることにしました。最初は上手に本当に美味しいアスパラガスを栽培することができませんでしたが、有機肥料を工夫するなどの努力が実り、美味しいアスパラガスを栽培することができるようになりました。サラリーマンを辞めてチャレンジした農業の世界、チャンスを逃さないように日々努力して今があります。クラウドファンディングを利用して食育の絵本を作ったり、フードロスへの取り組みなど、アスパラガスしか栽培していない農家だからこそチャレンジを続けていくのです。農家をしていて必要となってくる、契約や販売、営業などは前職での経験が今の農業に活かせています。農業の経験しかない農家へのアドバイスにもなります。元非農家の自分たちだからこそ違う目線で、農を通した社会を見ていく事が出来るのです。
就農したての頃はアスパラガスの栽培が軌道に乗り、生活が安定してきたら他の作物も栽培していきたいと考えていた安東さん。しかし、農業はそんなに甘いものでは無く、色々な栽培品目をきちんと栽培するだけの技術を習得することは、容易ではないことを実感しました。その頃にはご主人の研究の成果も有り、十分に美味しいアスパラガスが栽培できるようになってきたことから、アスパラガス農家としてやっていくことを決意したのです。就農する前は、農家は余裕のあるゆったりとした丁寧な暮らしぶりを想像していましたが、アスパラガス農家となった今は、一番好きな農作業の草取りをする時間さえありません。「けれども今は忙しくとも本当に充実した日々を送っています。」と、安東さんは話します。美味しいアスパラガスを栽培し、お客様へ届ける毎日を十分に楽しんでいるのです。
就農当初は栽培ハウスが9棟の耕作面積が20aでした。現在はハウスが20棟の耕作面積が55aまで増えました。それでも「森のアスパラ」は収穫量が足りないほどにお客さんに愛されています。以前研修生として勤めていた人が独立して、すぐ隣の農地でハウス7棟の20aでアスパラガスを栽培し、収穫していますが、そのアスパラガスも安東さんが一緒に販売しています。「A-noker」には毎日色々なお客さんが訪れます。もぎ取り体験の方やお客様、バイヤー、シェフなど、色々なお客さんの「美味しい!」の声を直接聞くことが安東さんの一番の楽しみです。また、自分達がテレビなどの取材を受けることで、「あのアスパラガスだね!」と、実際に購入してくれた方が喜んでくれる。それが安東さんの喜びにもなるのです。
栽培から値段付け、販売まで自分達で全部を行うのは大変なことです。しかし、販売先への出荷量の予測から調整までする、農業とサービス業の両方を味わえる事が楽しみでもあり、醍醐味でもあるのです。これからのA-nokerがどうなっていくかは全く分からないとも話します。それは、「三ヶ月前と今では言っていることが違うんですよ」と安東さん。自分たちのこれからの広がりが楽しみでならない様子です。
新規就農して8年でここまで来られたのは一言に「甘えること」。農業の事はもちろん、包装のデザイン等自分たちには無い知識や経験を教えてもらい、出来ないことを助けてくれる仲間を見つけて、繋がりを増やしてチームになっていきました。初めはご主人が地元のミカン農家を手伝いながら、農業や販路についてのアドバイスや助けをもらっていました。今は以前貰ったアドバイスに自分達の経験をプラスして、新しい農家さんたちに返しているのです。全国の美味しいアスパラガスを栽培したいという農家にも栽培のアドバイスをしながら、さらに美味しいアスパラガスをお客様に届けられるように皆さんで努力しているのです。
住所 | 佐賀県藤津郡太良町大字大浦乙701 |
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代表者名 | 安東美由紀 |
作目等 | アスパラガス |
従業員 | 役員等4名、パート・アルバイト3名 |
URL | http://a-noker.com |
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