7月から10月の期間限定で週末だけ開かれる野菜の直売所「ふたりのマルシェ」を運営しています。マルシェは柏村さんの奥さんと、取締役の奥さんの農家の嫁2人でスタートさせました。農産物を農家がマルシェというオシャレな形態で売るというアイディアは、少し前まではまだ新しく、斬新なものでしたが、柏村さんは女性2人の行動を応援しました。自分たちの作った農産物を直接販売することで、地域の人たちとのつながりや仕事の意義、やりがいを見いだせただけでなく、オシャレなワゴン販売をしている2人の姿に共感し、同じように働いてみたいと思う若い女性が、自然と集まるようになりました。「農業の楽しさや、やりがいを大事にしたい、女性を応援したい」と考えている柏村さんにとって、意欲ある若手従業員が入社してきてくれたことは追い風となりました。2019年現在、従業員数はパート社員も含め24名となり、その内の16名が女性社員です。
2018年Ambitious Farmは女性の働きやすさを評価され、「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」に選定されました。応募しようと声をあげたのは、柏村さんの奥さんでした。柏村さんの奥さん自身も子育て世代で、仕事と家庭を両立させるためにいろいろな課題に直面してきました。例えば、育児中の女性でも、無理なく働き続けることができる会社にするため、子供の発熱などの急な休みや、勤務時間短縮などをきちんとルールとして制度化して、従業員が実際に利用しやすいようにしてきました。野菜の選別の作業場では赤ちゃんをおんぶしたお母さんもおり、いろいろな状況に応じて柔軟に対応しています。今後は有給100%取得を目指すこと、そして夏場の出荷の忙しい時期でも8日間は休みが取れるようにすることを計画しています。
従業員の能力向上のために社内外で研修を行い、資格取得については会社負担で費用を支援しています。柏村さんは「従業員がやりたいと思ったことは挑戦させている」と話します。2018年に入社した由利さんは農業未経験者ですが、やる気と能力を評価され、入社2年目からは「ふたりのマルシェ」の女性店長に抜擢されました。今はお店のコンセプト提案や売り方、見せ方、更には作付けの提案まで行っています。そして、マルシェをより魅力的に見せるために、自発的にPOP広告の講座を受講するなどスキルを磨いてきました。お店の接客対応でも、珍しい野菜のおいしい食べ方を研究してから、お客さんに丁寧に説明するなど積極的に質の高いコミュニケーションを取る努力をしています。Ambitious Farmには、由利さんのように若く経験がなくても、能力があれば責任ある仕事を任される環境があり、自発的に学んできたことがそのまま現場ですぐに活かせる「やりがい」が従業員の高いモチベーションにつながっています。
昨年は都内の老舗デパートのバイヤーから物産展への熱心な誘いがあり初出店しました。ブースは大盛況となり、「ふたりのマルシェ」の店長由利さんもブースで積極的に接客を行いました。今後の会社の取り組みとして、マレーシアやシンガポールなどの海外へ農産物の輸出を考えたいと話す柏村さん。若い世代が中心となり、毎年新しいことに挑戦しています。その中には農業未経験の従業員も多くいます。未経験である若い世代だからこそ、既成概念を壊しながら新しいアイディアを生み出すことができます。農業をしている自分たちが楽しめることを大事にしながら、これから仲間と力を合わせて会社を成長させたいと柏村さんの夢は膨らみます。
住所 | 北海道江別市豊幌26番地44 |
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代表者名 | 柏村 章夫 |
作目等 | 多品種栽培 70品目100品種以上 |
従業員 | 従業員24名 |
URL | http://ambitious-farm.co.jp/(会社)・http://futarino-marche.jp/(ふたりのマルシェ) |
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