優良事例集

会社員から農業経営者への転身、ベビーリーフで一番を目指す

株式会社グリングリン/福井航さん/新規就農
株式会社グリングリン(以下、グリングリン)は、ベビーリーフと総称されるさまざまな品目の幼葉を水耕栽培で生産、販売しています。2012年、埼玉県熊谷市で元会社員の福井航さんが農業法人として設立しました。季節や天候の影響を受けにくく、年間を通して安定的に供給できる水耕栽培。さらに、グリングリンでは極力農薬を減らし、常時栽培状況の管理が可能な生産システムを取り入れています。高品質・安定供給・安全性を確保する商品力に加えて、計画的に商品の生産量と販売見込みを数値化し、管理•分析しているのも特徴です。また、「働きやすい環境」のためにシフト体制を組むなど、柔軟に対応しています。

新規就農をしようと考えたきっかけは?


福井さんは会社員時代から野菜好きが高じて「いつかは家庭菜園をしたい」という想いを抱いていました。ある時、農業従事者の高齢化や、農業人口の減少という農業を取り巻く現実を知ります。日本の食料自給率の低下が懸念される中、「30代の若手として新規参入すれば、社会課題の解決に貢献できるのではないか」と考えました。まずは農家へ飛び込んで農業を学びながら、畑を借り受け野菜作りに挑戦しました。しかし、一人でやっていくにはどうしても売上に限界がある――そんな折、知人の誘いで水耕栽培の設備を作り法人化する計画に参画することになります。そこでの経験を経て、グリングリンを設立し、今に至っています。


収益性を考えた栽培管理の仕方とは


ベビーリーフは常に13~14の品目を栽培し、品目ごとの栽培状況に応じて組み合わせてパッケージしています。1つの品目が天候や病気などの影響で出荷できなくなっても、他の品目でカバーできる仕組みです。また、栽培期間が短いこともベビーリーフの大きな特徴です。早いサイクルで流通させることで生産の見込みを立てやすいことに目をつけました。こうした取り組みは、人材系企業に勤務していた福井さんのマーケティングの経験が活かされており、生産計画から販売まで徹底して数値化することで事業管理を行ってきました。


マーケティング経験を活かした戦略とは


できるだけ正確な販売見込みが立てられるよう、JAや市場を介さずなるべくダイレクトに顧客に届けたり、逆に網羅しきれない個人経営の店舗向けにはあえて仲卸業者や商社を介して販売したりと販路を戦略的に開拓しています。単身で築いてきた販路はスーパーマーケットや百貨店はもちろん、都心部および郊外の飲食店から結婚式場まで。これは取引先によって異なる出荷量の波をうまく利用するためです。例えば、オフィス街の飲食店なら平日、郊外のファミリーレストランなら週末の受注が増えることから、曜日による出荷量のばらつきを分散させることにつながり、極力ロスのない生産を目指すことができます。現在、新規開拓を進めながらも既存の顧客に継続購入してもらえるよう、さまざまな要望に応えることに注力しています。


働きやすい環境づくりに、取り組んでいること


創業時は2人の従業員で休日を設けることができませんでしたが、当初より売上が2倍以上に伸びた現在は、正社員1人(週5日)とパート従業員8人(週3~5日)に増えています。就業時間は、出荷作業が集中する午前を中心に、希望に応じながらシフトを組んでいます。働きやすい環境は良好な人間関係が大切だと考える福井さん。従業員の離職を防ぐために、仕事中にあえておしゃべりも楽しんでもらい、円滑なコミュニケーションを図ることで離職率を抑えています。従業員が増えたことで、顧客の突発的なニーズにも対応できるため、取引先からの信頼が高まったことを実感しています。


経営していく中での自社の強みとは


「若い世代が興味を持てるような新たな農業を目指すことで日本の社会問題解決に貢献していきたい」という理念のもと、創業以来7年の間に蓄積したデータに基づいて事業管理を行っている福井さん。安定した生産と戦略的な販売ルートの確立が大きな強みとなっています。「ベビーリーフなら、グリングリン」と言われるように、これからも顧客のニーズに応えながらの事業展開を目指していきます。

住所埼玉県熊谷市日向7
代表者名福井航
作目等ベビーリーフ等、卸
従業員役員等1名、常時雇用社員1名、パート・アルバイト8名
URLhttp://www.gringrin.co.jp/

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