優良事例集

干し芋発祥の地でサツマイモの無農薬栽培

株式会社まるやま農場/丸山勝久(写真・取材:ファームプロジェクト部部長 岩澤啓之)さん/ホワイト企業
「地域に伝わる農法を受け継ぎつつ、持続可能な農業の仕組みをつくりたい」という思いから、2011年2月に農業生産法人としてスタートした株式会社まるやま農場(以下、まるやま農場)。農家の高齢化や後継者不足によって生産量の減少や技術の継承がなされないことが課題となる中、「耕作放棄地や休耕地を有効活用し、地域農業の担い手となりたい」とファームプロジェクト部部長である岩澤さんは力を込めます。温暖な気候に恵まれた掛川市・菊川市に位置するまるやま農場では、現在、サツマイモの栽培には農薬を使わず栽培し、他の作物は必要最小限の農薬・化学肥料で生産しています。若いメンバーが中心となって、「地産地消」「自製自販」を実践中です。

お客様の喜びを目指して、取り組んでいること


まるやま農場がある静岡県西部は、干し芋発祥の地と言われています。そこで最初に手がけたのは、とても難しいとされているサツマイモの農薬を使わない栽培でした。「安心して食べられるサツマイモを昔ながらの製法で干し芋に加工し、特産品として復活させたい」という創業メンバーの熱意によって挑戦がはじまり、日々試行錯誤を重ねながらお客様に喜ばれる干し芋を作っています。サツマイモのほかにも、業務用として契約栽培をしている葉ネギや、自社ブランドのイチゴ、茶の生産を事業として展開しています。生産した作物を農協や商社に頼らず販売ができるのは、親会社である丸山製茶をはじめとする自社グループの流通ルートがあるから。「直売やインターネット販売、ふるさと納税など直接お客様に商品を届けているので、何を求められているのかを把握することができる」と岩澤さん。こうした取り組みによってまるやま農場の「ブランド力」のさらなる向上を目指しています。


従業員が楽しく働けるしくみづくりとは


従業員が元気よく楽しく働けるよう、社内のオペレーションの効率化を図っています。勤務時間は7時半~16時半(部門や時期によって多少異なる)で、土日を休みとする完全週休2日制を導入。収穫時期などで生じる労働時間の偏りを軽減するための細やかな役割分担や、時間当たりの生産性の向上、取引先との連携などによって、適正な労働時間の維持に努めています。


社員が挑戦したプロジェクトとは?


現在9人の社員とパート社員、繁忙期の短期パートのほか、地域貢献の一環として雇用している地域の高齢者や障がい者の皆さんが干し芋の製造などに従事しています。こうした多様な働き手が携わるまるやま農場では、社員が各部門の正副リーダーとして、収支管理・人員配置・労働力の配分・取引先との交渉といったマネジメントを行うのです。そこでの実績によって新規事業や他部門でのチャレンジも促しており、社員のモチベーションアップにつなげています。まるやま農場ブランド「寒蜜いちご」は、葉ネギ部門で優秀な実績を上げた社員が挑戦したプロジェクト。新規事業立ち上げの新たな事例となりました。岩澤さんは「今後は生産分野だけでなく、マーケティング感覚を持ち合わせた人材も増やしていきたい」と展望を示しています。


経営していく中で大切にしていること


まるやま農場がこだわる減農薬・減化学肥料による農業は、消費者に安心して食べていただけるだけでなく、作り手の安全面や土壌の環境にも配慮しています。さまざまな取り組みから、ネギ、サツマイモ、イチゴの事業において静岡県内初となる「GLOBAL.G.A.P認証(食品安全、労働環境、環境保全に配慮した持続的な生産活動を実践する優良企業に与えられる国際基準の認証)」を取得しました。生産から加工、販売全てを行う6次産業化の推進によって他社との差別化に力を入れています。「新しいことにどんどんチャレンジして、これまでとは違う農業をやっていきたい」と話す岩澤さん。農業での持続可能なビジネスを実証し、地域への貢献と農業の発展に意欲を燃やしています。

住所静岡県掛川市板沢500-5
代表者名丸山勝久(写真・取材:ファームプロジェクト部部長 岩澤啓之)
作目等サツマイモ、ハネギ、イチゴ、茶、干し芋
従業員役員等2名、常時雇用社員9名、常時雇用パート5名、臨時パート・アルバイト約10名
URLhttps://maruyamafarm.com/

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