優良事例集

IT活用とフレッシュ目線で農業の未来を切り開く20代

株式会社戸倉トラクター/横井千広さん/ホワイト企業
株式会社戸倉トラクター(以下、戸倉トラクター)は、愛知県愛西市戸倉町で農作業受託事業を行う農業法人。高齢化などによって管理の難しくなった近隣農家の圃場などを借り受け、水稲・小麦・ダイズなどの栽培と販売を行います。代表を務めるのは、3代目の横井千広さん。50年にわたって地元の農業を支えてきた農家を父親から継いだ2017年に法人化。20代ならではのフレッシュな目線と行動力で、若年層の就農促進や新技術の導入、ITの活用など、農業の未来を切り開く施策を続々と投入し、農業というビジネスのあり方を模索しています。

若手の就農を考え、取り組んでいること


高齢者の離農が進み農家が減少する中、「農地を借り受けて栽培を行うことで、地元の農業の受け皿になろう」と立ち上がった横井さん。地域の未来の農業の担い手を増やすべく、法人化することで新規就農のハードルを下げ、特に若年層の就農促進を目指しています。その結果、インターネットで行った社員募集には県外からの応募もあり、現在、20代の男性3人が正社員として働いています。先代の頃から働いている年配のパートスタッフ2人を加えても地域では突出して平均年齢が低く、横井さんは地域のいろいろな集まりにも積極的に参加し、地域の農業への貢献に努めています。


従業員の労働環境を守るために決めていること


事故を避けるために日が落ちた後の作業は絶対禁止、大きな機械トラブルがない限り8時~17時という就労時間通りという労働条件の戸倉トラクター。閑散期は土日休み、繁忙期でも基本的には日曜日休みを保つようにしています。名古屋市内まで1時間以内に位置していることもあり、プライベートと仕事の時間のバランスを気にする若年層にとっては、趣味の時間を大切にしつつ、農業に関わることができるというメリットになっています。また、休みたいときはいつでも休めるようにしており、閑散期であればまとまった休みを取ることも可能です。横井さんは「ダラダラと休みなく仕事をするのではなく、休める時期はしっかりとまとめて休んでもいい。タイミングを自分で見極めてメリハリをつけてほしい」と言います。一方で、今後を見据えて女性でも働きやすいよう、水洗トイレや更衣室の整備なども検討し、朝出勤したら更衣室で着替え、働いた後はさっぱり着替えて帰るというような働き方を目指しています。農作業後にはどうしても体ににおいがつき、服や車が泥で汚れることもあります。「農業でも、普通の会社のように働ける環境づくりをしていかないと、泥臭いイメージが残ってしまう」と、横井さんはイメージ払しょくに燃えています。


体験することから農業を学ぶ環境づくりとは?


経験が浅く、机上の農業しか知らない若い社員は、経験豊富な従業員と一緒に作業します。働き始めた当初は教科書的な知識に頼りがちな若い社員も、半年から1年ほど農業に従事しているうちに、身をもって経験して得た知識の大切さに気付きます。天候や環境、現場の状況により応用が必要な場面が多い農業。ゆくゆくは自分の判断で作業を進められるように、積極的に先達の知恵を学ぶ機会を作っています。たとえば、土壌診断の仕方や土づくりについて、等、全員でミーティングしながら進めています。


作業効率をあげるためにしくみ化していること


さまざまな新規技術を活用して作業効率を上げています。トヨタ自動車の生産管理のノウハウを農業に転用した生産管理ツール「豊作計画」を導入したのもその一環。栽培品目や圃場の位置・広さ、作業者数や作業時間を一元管理できるクラウドサービスで、スマホがあれば日報の入力や作業状況の確認ができます。これを活用することで、作業内容や圃場ごとに作業の進捗をいつでも把握することができるので、社員の致命的なミスが減り、いつでも適切な人員配置が可能になっています。また、無人ヘリコプターを外注していた農薬の散布作業を、小型無人飛行機(作業用ドローン)操作の認定制度を利用し、内製化しました。「社員はみんな若いので飲み込みが早く、新しい機械や技術にもすぐ対応してくれる」と横井さんは言います。最新の技術や知識を農業に取り入れることで、土地勘がなかったり、経験が少なかったりする新規就農者にも農作業に従事しやすくしています。

住所愛知県愛西市戸倉町中屋敷117
代表者名横井千広
作目等水稲、小麦、大豆
従業員家族従事者4名、役員等4名、常時雇用社員3名、パート・アルバイト3名
URLwww.tokura-tractor.com

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