優良事例集

先代からの「美味しいお米づくり」挑戦と努力の日々

有限会社たけもと農場/竹本彰吾さん/次世代継承
加賀百万石の歴史ただよう石川県能美市にある、有限会社たけもと農場(以下、たけもと農場)。 代表責任者の竹本彰吾さんの家は、江戸時代から続く農家で、1993年に先代が農業生産法人として有限会社たけもと農場を設立しました。たけもと農場では、土づくりや農薬をできるだけ使わない方法にこだわってコメを栽培しています。収穫したコメはJAを通さず、消費者の声を聞ける直接販売に力を入れています。イタリア米「カルナローリ」の栽培・販売がその一例です。この他、次世代の農機を開発する、井関農機株式会社(以下、井関農機)と鳥取大学の農機開発の共同プロジェクトに、コメ農家として参画。トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)と提携し、「トヨタ生産方式」を農業分野に取り入れる研究も行うなど、農家の立場から農業を変えていこうと様々な試みを行っています。

親元就農のきっかけとまず取り組んだこと


竹本さんが就農したのは、大学卒業後の23歳。「就農から10年経ったら代表の地位を譲る」と先代の提案を受け、竹本さんは農業従事者としての基礎的なことから販売、会社経営など、経営者としての知識を最初の6年間で学んでいきました。残りの4年間は先代と社長業を共同で行いながら、実質的な事業継承に着手。従来の顧客や取引先を先代から引き継ぎ、新規顧客の開拓も進める傍ら、代表交代後も先代に、気持ちよく農作業に携わってもらえるような環境づくりも注力しました。事業継承にあたっては、中央農業研究センターの梅本雅さんからアドバイスを受けており、「先代が自分の父親ということもあり、第三者が入ることで冷静に事業継承に向き合えたのでは」と竹本さんは振り返ります。


就農して目指した経営のビジョンは?


「稲は土が育てるもの」と考える竹本さん。その信念から、保肥力の高い土づくりを研究し続けています。また、これまでライスセンターの都合で制限されていたコメの収穫時期を、自社で乾燥施設を持つことにより、コメが一番美味しくなるとき、つまり「完熟の状態」で収穫することにこだわっています。さらに、インターネット環境のない竹本さんの祖父の時代から現在に至るまで、コメを直接お客様に販売する、と言うことが脈々と受け継がれております。その中で、直接お客様の声を聞くことで得られた要望や、時代のニーズを取り入れながら、事業の継続や拡大を図っています。


イタリア米の栽培など新しく取り組んでいること


「リゾットにはイタリア米が必要だが、輸入するのにコストがかかる。日本で作れないかな」というイタリア料理店店主の声を受け、イタリア米の栽培を始めました。イタリア米は、日本での栽培例がほとんどなかったため、およそ5年にわたる試行錯誤の期間を経て販売にこぎつけました。一方で、井関農機と鳥取大学が共同で研究・開発する「可変施肥田植機」(田植え作業をしながら土の中に含まれている肥料の量を検知し、それに合わせて撒く肥料の量を調節できる機械)のプロジェクトにも参画。その他、生産性向上のために「トヨタ生産方式」を5年前から取り入れています。「豊作計画」(トヨタ自動車が製造業の現場で培った、生産システム管理や現場改善のノウハウを集約させたスマートフォンの営農管理ツール)を使い、トヨタ自動車と現場改善に取り組んでいます。


新規事業への取り組みで大切にしてきたこと


石川県農業試験場や自治体から、新規事業への参加を求められるのは、たけもと農場が、地域の人や取引先の人を大切にしてきたからです。その人たちの力を借りながら、時代や顧客のニーズに応えるため、常に新しいことに挑戦するとともに、「美味しいお米づくり」のための努力を日々続けています。


親元就農者のメリットや強みは?


新規就農者と異なり、親元就農者は、事業を継承したときから「責任」や「周囲の期待」という重い荷物を背負っています。反面、代々培ってきた顧客や周囲の信用をそのまま引き継げるので、新しい事業に取り組みやすいことが強みです。「新しい事業に取り組むことが、親元就農者の使命だと思っている」と竹本さんは話します。2018年6月から、竹本さんは全国農業青年クラブ連絡協議会の会長に就任。農業を「なりたい職業No.1」にすべく活動するとともに、たけもと農場の後継者として、地域の人たちやお客様から寄せられるたくさんの期待と注目に応えるべく、日々奮闘しています。

住所石川県能美市牛島町ロ175
代表者名竹本彰吾
作目等お米
従業員役員等3名、常時雇用社員3名、パート・アルバイト2名
URLhttp://www.okomelove.com