「安心安全な食べ物、消費者のみなさんに感動を与えるようなおいしい野菜」を目指して農業に取り組んできた橋場農園。家族経営から有限会社になって従業員が増えたため、従業員への責任から「会社の永続的な発展」も視野に入れるようになりました。「従業員のみんなが家族から喜んで送り出してもらえるような会社、従業員のやる気が出る会社にしたい」と代表取締役の橋場康夫さんはいいます。年間を通して安定した雇用を確保するため、トマト栽培に加えて、しいたけの栽培も手掛けています。また、収穫物を原料にしたトマトジュース等加工品を生産し、販売までも一貫して行う6次産業としても成功しており、農閑期の仕事を生み出しています。
従業員の希望に応じて、カレンダーなどに記載することで規定以外の日も休めるようにしています。
モチベーションを上げるために、従業員が「うちの会社は優れたものをつくっているんだ」と自信を持つことができるような取り組みをしています。また、できるだけ従業員に作業を任せていくようにしており、そのなかでいろいろな意見や「やってみたい」というような気持ちが自然に起きるようになっています。キャリア形成としては、数年経験を積んだらリーダーになり、数名を引っ張っていくようになります。また、国の農業雇用事業に基づいた研修制度があるので、ある程度キャリアを積むと独立する人も多く、「会社にとっては痛手だけれど、地域にとっては非常にありがたいし活性化になる、一つの喜びでもあります」と橋場さんは笑います。はじめから「将来独立したい」と入社してくるケースも珍しくありません。そういう場合は行政とタイアップして援助していきます。橋場さんは県の指導農業士として、後継者指導育成に10年ほど携わってきました。60歳で定年を迎えた現在も、OBという立場ながら行政との連携は続いており、独立希望者は行政が企画した研修会などに行きながら、橋場農園で実習を重ねます。いよいよ独立というときは、土地を探すのを手伝うこともあります。「会社として地域で活動しているなかで、これも一つの社会貢献かな」と、橋場さんは今も多くの後輩を輩出しています。
自家農園産トマト100%で作るトマトジュース「めいのさらだ」は、トマトが最もおいしくなる秋に収穫されたものだけを使っています。トマト本来のおいしさを味わうため、完全無添加にこだわっており、「おいしい」「飲みやすい」と評判で、他のトマト加工品とあわせて年間20トンを生産。自然の力を最大限生かし有機肥料主体でトマトを作っており、GLOBALG.A.P.の認証を取得しています。
住所 | 岐阜県高山市丹生川町新張2952-79 |
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代表者名 | 橋場康夫 |
作目等 | 夏秋トマト、菌床シイタケ、自社生産物加工品、米 |
従業員 | 役員等4名、常時雇用社員38名、パート・アルバイト3名 |
URL | http://www.hasibanouen.net/ |
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