後継ぎとして栗原農園に入ったのは、農業大学を卒業してすぐの20歳の時。外で数年修行してから実家に入る後継者が多い中、「父親に、直ぐに家に入る代わりに好きな事をやらせてくれ」と提案した栗原さんは、研修等に積極的に参加するなど、働きながら農業の基本を学びました。そんな栗原さんの姿をみていたお父さんから「10年後に代表を譲る」と言われ、背中を押されたかのように、自ら後継ぎになるための課題を決めて取り組みはじめました。まずは、野菜を育てるための栽培技術を身に付け、顧客の開拓を行い、経営者として相応しい話し方や振る舞いを身に付けるなど、栗原さんにはやりたいことがあふれるほどあり、常に前向きです。
「美味しい野菜を届けたい!」栗原さんの思いはその一言に尽きます。「美味しいものが好きなので、好きなことをやり続けているだけですよ」と明るく話します。そして、美味しくに加えて、「楽しく野菜で笑顔に」という言葉を加えることが、栗原農園を継承してから変わらぬ栗原さんの思いです。お客様、スタッフ、地域の方、協力会社の方、みなさんが笑顔になれることを目指しています。
栗原さんはSNSで情報を発信を行い、地域のイベントなどにも積極的に参加して野菜の販売などを行いました。地域の方々と繋がることで、いろいろな飲食店などのお店の方ともつながりを持つことができ、お客さんを増やしていきました。栗原さんは、自分自身で取引先を1件ずつ周り、直接お店の方と話すことを大切にしており、細かな要望にも迅速に対応しています。お店の方や取引先の方との良い関係を作るように心掛けていったことで、取引先は100件弱まで増えました。
現在では、生産量の95%の売り先が決まっています。栗原農園から30キロ圏内のお客様に、1日10~15軒の配達を行い、99%を自社配送しています。自分たちで作って、新鮮な野菜を自分たちで届ける、これが栗原農園の最大の強みです。出荷量が増えるに伴って、ハウスを増設しながら、生産量を増やしています。
「父の築いてきた信頼に自身の信頼を上乗せしていける、それが後継者の強みです」と栗原さん。丁寧に仕事を続けることで、親の代からのお客様からも、気軽に電話していただけるようになり、すこしずつお客様に信頼される存在になっていくことができたらいいと考えています。「父とはケンカになることもありますが、翌日には平常心で話す様に心掛けて、良好な関係を維持出来るように意識しています」と栗原さん。もめている暇があったら、将来について素直に話した方が良いと、どこまでも前向きに農業のこと、経営のことを考えています。
住所 | 茨城県常陸太田市芦間町1091 |
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代表者名 | 栗原玄樹 |
作目等 | 主にこねぎ、サラダ野菜、ハーブなどの水耕栽培、お米、白ねぎ |
従業員 | 役員3名、常時雇用社員3名、パート・アルバイト20名 |
URL | http://kurifarm.net/ |
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