建築科を卒業後、工務店にて現場監督として就職し10年勤めました。その後、父親に一緒にやらせてほしいとお願いをし、広野牧場へ就農した。事業上の都合から就農と同時に共同代表になりましたが、農業経営の勉強をしていない事が一番の課題でした。父親や社員さんに教えてもらい色々なことを学びました。
「農業のイメージをよくしたい、という想いが1番にあります」と、広野さんはまっさきに口にします。就農後、異業種の経営者の方たちと交流する中で「農業の仕事は大変で、儲からない」というような、農業に対するマイナスのイメージが強いことを実感。ほかにも広野牧場で働いているスタッフが親から「大学まで出て、農業をやるの?」と言われたり、親の反対で就職できなかった若者がいたりする事実を目の当たりにします。広野さんは、農業でしっかり稼ぎ、安定した経営ができることを実践することで、農業のイメージアップを図ることを決意しました。
農業全般のイメージをよくするため、アミューズメントファームプロジェクトとして、農業を軸にした観光地づくりに取り組んでいます。酪農における生産から加工、販売全てを行う6次産業化の推進もその一環。牧場で牛たちから分けてもらった生乳を加工し、ジェラートやピザ、チーズを売る店を次々にオープンさせました。SNSを活用して、旬のメニューなどの情報を発信し、宣伝にも努めました。また、「酪農教育認証牧場」として、子ども達へ農業の現場の事や、農業という仕事があることを伝えるため、積極的に農業体験学習を受け入れています。酪農教育ファームとは、酪農作業を通じて食や仕事、いのちをテーマに教育現場と連携して教育活動を行う農場のことです。今後は、子ども達と一緒に農畜産物を育て、それを商品化、販売してお客さんに「ありがとう」って言ってもらえるまでを体験してほしいと広野さんは思っています。
アミューズメントファームプロジェクト始動から5年。三木町が整備した「太古の森」、いちご観光農園「森のいちご」、広野牧場プロデュース「MUCCA」「VACCA]には年間70000人強の方が足を運んでくれるようになりました。酪農を軸として農業の新しい価値と感動を創造するというミッションを継続し、小学生がなりたい職業No1に「農業」と言ってもらえるように、新しい事にもチャレンジしていきたいと広野さんは話します。
創業者の父が経営基盤を整えていてくれたおかげで思い切った6次産業化や、人材育成など法人企業としての広野牧場の改革に大胆に取り組む事ができました。また、様々な新規事業立上げの際にも、最後まで黙って見守り続けてくれたおかげで、少しずつ経営者としての自信や責任の重さなど感じる事ができました。本当に有難かったと尊敬を滲ませます。
住所 | 香川県木田郡三木町大字鹿庭215番地 |
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代表者名 | 広野 豊 |
作目等 | 酪農 |
従業員 | 役員等3名、常時雇用社員20名、パート・アルバイト6名 |
URL | http://www.hirono-farm.com/ |
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