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優良事例集

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開拓期から115年間、北海道酪農のノウハウを研究・蓄積

有限会社藤井牧場/藤井雄一郎さん/ホワイト企業
北海道富良野市にある有限会社藤井牧場(以下、藤井牧場)は、開拓期から115年間かけて、北海道酪農のノウハウを研究・蓄積してきました。特に衛生・品質管理には強いこだわりを持っており、代表取締役社長の藤井雄一郎さんは、「常に、消費者に信頼される牧場でありたい」と話します。優秀な飼養衛生管理が認められ、2012年には、畜産部門で国内初の「農場HACCP」を、2017年には、JGAPを認証取得しました。さらに、6次産業に力を入れており、オリジナルのチーズやヨーグルト、ソフトクリームなど、高品質な乳製品が人気です。自社が経営する直売カフェやイベントには、多くの人が訪れ、北海道の観光誘致としての役割も担っています。

次世代を育成するその想いとは?


藤井牧場は、経営理念に「牛も人もどんどん育てる牧場」を掲げ、様々な成長支援制度を取り入れています。中でも重きを置いているのは、従業員のマネジメント能力を引き出し、将来の牧場長を輩出するための教育です。「いつか、牧場の分譲化を実現したあかつきには、経営と人材活用の両立ができる人物に任せたいんです」と話す藤井さん。藤井牧場のような1000頭規模の牧場を持続させるためには、次世代を教育・マネジメントするリーダーを増やしていくことが大切であると考えています。


健康面にも配慮した働き方の環境づくりとは


藤井牧場では、福利厚生の一環として、2015年に社員食堂を開設し、安価でおいしい食事が食べられるようになり、従業員にとても好評です。体力を使う牧場での仕事に備え、フィジカル面・健康面からも従業員をサポートしています。また、勤務時間の短縮と、休暇取得率の向上にも力を入れています。勤務時間と業務内容を各部署で管理し、残業時間にばらつきが見られた際は、業務を再分担するなど、働き方のバランスを取ります。さらに、勤務時間のシフトとローテーションを柔軟に調整することで、長期休暇が取得しやすい職場を目指しました。藤井さんは、「従業員には、道外出身者も多いので、実家に帰省するためのまとまった休暇を取ってもらいたいと思っています」と話します。現在、有給取得率は8割を超えており、今後も、より休暇が取りやすい制度、雰囲気を作り上げていく予定です。


全体をみれるスキル向上へ取り組んでいること


「昔は、従業員の出来ていないところにばかり気を取られてしまっていたいと話す藤井さん。責任の大きい仕事を任せても適切な評価を下せず、信頼の厚かった従業員が離職してしまうという苦い思いを経験しました。現在は、評価基準・昇給基準を明確に設け、かつ、公表しています。資格取得への援助にも積極的で、キャリア形成や人生設計がしやすい環境を実現しました。また、約1年という短期間で業務をローテーションさせている点も、藤井牧場のキャリア形成における大きな特徴です。藤井さんによると、「牧場経営には、ひとつの分野だけ突出しているのではなく、全体を俯瞰して見る力がなくてはならない」といいます。ここでも、将来の牧場長を育てたいという強い気持ちが伺えます。また、多くの業務を経験することによって、協力体制がとれる利点もあります。ローテーションの度に発生する引継ぎのおかげで、「業務を理論的に整理できているのか」、「人に教えるとはどういうことなのか」と、従業員自身の習熟度を確認することにもつながっています。藤井さんは、全員が、全体を見る目を養わなければ、最終的には会社も成長しないと考えています。


新しい発想からうまれた「砂の牛床」ってなに?


藤井牧場はこれまで、北海道酪農の先駆けとして、あらゆる挑戦をしてきました。特に2014年に導入した「砂の牛床」は、日本では非常に珍しく、大きな注目を集めています。「砂の牛床」とは、牛床を砂にすることで、牛への負担を減らし、病気の予防につなげる仕組みです。大きな投資ではあったものの、悩まされていた牛の病気は激減。乳量や繁殖成功率も増加し、想像以上の結果を出しています。こういった例からも分かるとおり、これからの酪農は、従来の方法にとらわれない、新しい発想と行動力が求められます。藤井さんに、求める人材像を聞いても、「経済や流通といった他分野の知識を活かしながら、業界全体を成長させていける人」という答えが返ってきました。法改正や規制緩和といった、時代の流れを読み取っていければ、長い歴史を持つ酪農の世界にも、まだまだ未知の可能性がありそうです。

住所北海道富良野市八幡丘
代表者名藤井雄一郎
作目等酪農、乳製品の加工・販売
従業員常時雇用社員30名
URLhttp://www.fujii-bokujo.com/

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