地域を守り、人を集める農園づくりを目指す

ひのでファーム/里路久光
ひのでファームの「うちのこ野菜」は、自分の娘や家族に食べさせたいと思える、「おいしさ」、「安心・安全」が詰まっている野菜です。そんな野菜を育てているのは、30代前半で教師から農家に転身した里路久光さん。2反の畑から始め、6年経った今では米が6ha、野菜は年間作付面積4ha、ハウス5棟と拡大しました。今年の4月からは従業員を1名雇用し、来年も1名増やす予定。そして今後も従業員を増やし組織化することで、地域の農業を引き継ぐ、農園を人が集まる場所にするという2つの夢を叶えようとしています。

ゼロから始めた野菜づくりが成功した理由は?


本やインターネットなどの情報をもとに一から独学で野菜栽培を開始。義理の父親が水稲栽培をしている農家ではありましたが、日々起こる野菜の変化やさまざまな病気などへの対応に限界を感じていたとき、加入していたJAグリーン近江の青年部の仲間が里路さんを支えました。青年部の仲間は実際に現場で病気の状態などを見せてくれ、どんな質問でも答えてくれました。農家に生まれた彼らは、つくった野菜をお金に変えるための売り方や販路まで、多くのことを話してくれたそうです。いつか彼らに追いつけるようにと、がむしゃらに農地を拡大できるよう頑張ってきた里路さんは、5年目からは青年部の部長を任せてもらうまでになりました。この青年部での出会いがなければ今はないと、里路さんは言い切ります。さらに5年目にはハウスへの投資や、従業員雇用が可能かを判断するために、県の農業会議主催の滋賀農業経営塾で経営を1年学びました。ここでの出会いも人脈を広げてくれたと言います。



新規就農だからできる、慣習や規制に囚われない農業のカタチ



里路さんが新規就農だからこそ挑める、慣習などに囚われない取り組みが2つあります。1つは複合経営。お米や野菜のほかにイチゴも育てています。本来イチゴ栽培は育てることが大変なため専業農家が多い中、すでにさまざまな野菜を育て、さらに水稲栽培をしていた里路さんは、「これからイチゴをやるのは大変なのでは?」と周りから言われたそう。ただ本来ならこうするべき、という慣習を知らないからこそのチャレンジができるのが里路さんの強みです。



そしてもう1つが組織化です。農家は古くから家族経営をしているところが多いですが、里路さんは昨年から1名雇用し、来年も1名、そして今後も人を増やしながら組織化していきたいと考えています。そして最終的には信頼して実作業を任せられる人材を育て、自分は組織の代表として実作業ではなく対外的な仕事を行っていくことを目指しています。


地域の農業の担い手になることで、地域を守る


組織化を目指している理由の1つに、地域の農業の担い手の高齢化があります。義理の父親も65歳になり、今後一線を退いたあとは、その農地を「ひのでファーム」で担おうと考えています。そしてこの地域の集落の大多数が70代で、里路さんが一番若いからこそ、「自分が引き継ぎ、地域を守っていく」という気持ちを強く持っています。



また現在1名いる従業員は、障害者雇用の取り組みで採用した方です。農家は人手不足、そして福祉の現場では就職先が少ないという課題があります。お互いの課題はマッチしますが、まだまだ解決にはハードルが高いのも現実です。里路さんは元教師で、さらに奥様も教師という環境の自分たちだからできると、障害者雇用を通して農福連携の取り組みを行っています。


ターゲットは家族。農園を人が集まる場所へ


里路さんは、地域を守るだけではなく、地域の人に楽しんでもらうこと、そしてその魅力で人を集めることも考えています。まず実施しているのは、合鴨農法。有機栽培をしている田んぼの一部に合鴨農法を取り入れることで、環境へのアプローチという側面だけでなく、近所を散歩している人がふと足を止めるような場所にしたいのです。



里路さんのつくっている「うちのこ野菜」は、名前に込められているように自分の子供に食べさせたいと思えるおいしさと品質がある野菜を届けること。ターゲットは家族です。だからこそ、ゆくゆくは農園にカフェやレストランをつくり、自分で収穫した野菜をそのレストランでいただいて、農園を家族が半日過ごせる場所にしたいと考えています。


従業員や仲間の農家とチームになる


そのためにも必要なのは、同じ想いを持った仲間、「ひのでファミリー」というチームづくりです。チームとなることで、たとえば、収穫体験では自分の畑ではこれが用意できる、ファミリーの農家はこれが用意できる、など助け合ったり、一緒に何かに取り組むことができる環境が整えられます。



そのためにも従業員の組織化だけでなく、研修生の受け入れや就農相談なども積極的に行なっています。自分が新規就農時に苦労したからこそ、新規就農者の助けになりたいという想いがあります。そして将来、独立したあとに、同じ想いをもつメンバーでチーム「ひのでファミリー」をつくっていくためです。この「ひのでファミリー」で農園を家族が集まる場所にしたいと力強く話してくれました。



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