農業でまちの景観を美しく「食べれる村」づくりで地域貢献

有限会社クサツパイオニアファーム/中山欽司
小さい頃から昆虫が好きだった中山欽司さんは、同じく昆虫好きな父親と同じ農学部に進学しました。その後、研究の道には進まず、「現場に出て実際に農家の人たちの困っていることを聞き、それを助ける人になりたい」と、有限会社クサツパイオニアファーム(以下、クサツパイオニアファーム)に新卒で入社します。入社後はメインの事業である有機栽培のお米づくりの現場から、販売担当とさまざまな経験を積んでいき、自分で経営をしたいと6年後に独立しました。「百姓 欽佐エ門」という名前で活動しはじめ、中山さんは、カラフルな野菜がSNS等で人気となり、気づいたらカリスマ農家に。そして4年前、「仲間と共に」をテーマにクサツパイオニアファームに戻り、2020年に代表取締役に就任しました。

独立後、カリスマ農家になれたのは?


独立後は小面積からできる野菜づくりをはじめました。ただ以前やっていたのはお米づくり。それでもなんとかできた野菜を知り合いの飲食店に持って行っても、見た目が悪く買ってもらえないなど悔しいスタートとなりました。そこで伝手を頼りにカリスマ農家と言われる人たちのところに通い、見よう見まねで試行錯誤しながら、つくることに集中しました。



またSNSに強かった中山さんは、そのつながりなどから、栽培したカラフルな野菜を使った料理などが飲食店や一般の消費者の方に拡散されていきました。3、4年で野菜づくりは生業として成り立つようになり、気づいたら中山さんの元に多くの人が見学に来るようになりました。最終的には農業の学校として自分の畑や滋賀県内の畑に毎週末、出張講座で出かけるまでになっていたそうです。

興味が地域へと広がった理由は?


独立中にもう1つ始めたことがありました。それは、無肥料・無農薬で、剪定の力だけで収穫量を増やすという道法正徳さんに習った剪定です。木の剪定に興味を持ち、実際に造園業で2ヶ月間研修もしました。そしてある日、野菜の配達先のお庭で花の咲かないバラの木に出会います。自分に剪定をさせて欲しいと頼み、満開のバラを咲かせた中山さんは、庭の木はそのお家だけでなく、同時にまちの景観にもなると気づきました。畑づくりは、まちの景観づくりになると、興味が次第に地域へと広がっていきました。



外から来た2代目だからこそ取り組んだこと


地域へと興味が広がった中山さんが1人でできることの限界を感じていた頃、クサツパイオニアファームの先代、奥村次一さんに後継者として戻ることを考えてみないかと声を掛けられました。自分で雇用を増やしていくという選択肢もありましたが、若くして20人の従業員がいる会社を引っ張っていけるのは大きなチャンスであり、やりたいことへの近道にもなると感じて、4年前にクサツパイオニアファームに戻りました。



戻った当初は、従業員に向けて、自分のやりたいことばかり話していた中山さんですが、それではうまくいきませんでした。そこで、自分のやりたいことは一度心の隅に置き、従業員の方の想いを聞くことに徹するようになりました。



また、会社の理念を従業員とともにつくり直しました。会社を立ち上げた初代とは立場も周りとの関係性も異なります。そこで、みんなで理念をつくり、みんなで理念に向けてやっていくことにしました。さらにロゴもつくりました。ロゴには中山さんの好きなトンボが3匹描かれています。これは自分1人(1匹)だけじゃなく、従業員という「仲間と共に」前に進んでいくという想いが込められています。この中山さんの従業員を仲間という想い、そして仲間1人1人に光を当てたいという想いは、クサツパイオニアファームのお米を購入したら同封されるお便りに表れています。ここには従業員の1人1人の写真とメッセージが掲載されています。


「仲間と共に」食べれる地域をつくっていく



戻ってきた中山さんは、田んぼに1つ仕掛けを施しました。それは、赤紫蘇を植えたこと。毎年秋には稲穂でいっぱいになる景色に突如、真っ赤な空間が登場しました。そうすると、まちの人たちは立ち止まって写真を撮るようになりました。このように人が集まって景観をより魅力的に変えることをさらに進めようと、3年前から古代米の栽培も始めました。赤い稲穂や黒い稲穂の田んぼが少しずつ広がっています。赤い稲穂は、神社への奉納で地域の人から分けて欲しいという声もいただき、地域の役になっているということが実感できたそうです。



今はこの古代米は、お餅としてマルシェなどで人気を博していますが、今後はポン菓子などにして製品化を目指しています。この地域は、田んぼ1枚1枚が狭く、栽培・収穫の効率が悪い地域だそう。そこで有機栽培や古代米など少量でも価値を高める工夫が必要になります。最終的には、この地域全体に赤や黒などの稲穂が実ることで、人を集め、さらにこの稲穂からできた加工品を売ることで「食べれる村」をつくっていきたいと、中山さんはとびきりの笑顔で語ってくれました。



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