暮らす場所を大切に、農業を通じて地域のハピネスを作り出す

株式会社fmcraic (エフエムクラック)/佐々木由珠
代表の佐々木由珠さんは、三峰さんと会社を立ち上げてから今年で9年目をむかえます。二人が育てる弥平とうがらしは、「ぴりり」というネーミングの一味とうがらしや、スパイス、チリソース、など様々な加工品として販売されています。豊かな人生を送りたいと選んだ農業ライフ。農業を楽しみながら、地域のハピネスを作りたいと日々の生活を楽しんでいます。

滋賀県湖南市で弥平とうがらしを育てる株式会社fmcraic(以下fmcraic)。弥平とうがらしは、滋賀県湖南市で100年以上前から根付いていた伝統野菜。鮮やかなオレンジ色をしており、辛さは鷹の爪の2倍ほどあります。芳醇な香りと甘みにも優れており、様々な加工品を作れる可能性に満ちた農作物です。


地元、滋賀県に戻り就農したのは?


佐々木さんは、大阪の旅行会社で働いていましたが、30歳を目前にしたとき、自分の働き方や生き方に疑問を感じ、サラリーマンとしての生活をやめる決断をしました。



地元(滋賀)に戻り、ほどなくして職業訓練学校の農業コースに入校し、そこでパートナーとなった三峰さんと出会います。授業の中で農家さんを訪れた佐々木さんは「今まで知らなかった世界で面白い!10軒あったら10軒がそれぞれのやり方で農業を行っていて、自分の目指すスタイルを追及できる、柔軟性のある仕事だ」と気付いたそうです。


それまでは農業とは無縁でしたが、食べるものを作れることは強みだと感じた佐々木さんは、人が生きていくことと、密接な産業である農業を始めてみようと決めました。


佐々木さんが大切にしているスタイル



働き方・時間の使い方を自分で決められるのも農業の魅力だと感じていました。そういった面ではサラリーマンは向いていなかったかもしれません。自由な生活スタイルを大切にしながら、暮らしている地域との関係性は大切にした農業をしたいと佐々木さんは考えています。


農業は場所によっても、作物によっても異なるので、農家さんによってもやり方はいろいろありますが、まずは自分達で弥平とうがらしを育ててみる、育てながら分からないことは、周りのみなさんに相談してみればいい、農地もない、機械もない、技術もない完全なゼロスタートでしたが、まずはやってみよう!と気軽な気持ちで、農業をスタートしました。


弥平とうがらしを選んだのはなぜですか?


滋賀県湖南市で100年以上前から根付いていた伝統野菜。鮮やかなオレンジ色をしており、辛さは鷹の爪の2倍ほどあります。芳醇な香りと甘みにも優れており、様々な加工品を作れる可能性に満ちた農作物です。弥平とうがらしは、それ自身にとても魅力があるので、オリジナル商品を自分達で試行錯誤しながら作っています。先日も唐辛子味の米菓を作ってもらえる機会があり、生産者としては「弥平唐辛子」の名前が広まることが本当に嬉しく、農業をやっていてよかった、生産者冥利に尽きる!と思えた瞬間でした。



これからも「とうがらし」の可能性を世の中に広めるために、商品の見せ方にこだわったり、積極的にコラボレーションを展開したり、その都度とうがらしの魅力を伝える準備をしています。女性ならではの感覚と思い切りの良さがfmcraicのスタイルなのです。


販売していく中で大切にしたこと



地元の協力で、弥平唐辛子をつかったイベントが行われたり、東京のアンテナショップに商品を置いてもらうようになり、徐々に拡大しているという実感を得られるようになりました。売り上げもすこしずつ上がってきています。


当初は価値を分かってもらえず「高い」と言われて悔しい思いをした時期もありましたが、あるご縁で京都の八百屋さんの大将と出会い「これは他のとうがらしとは全然違うし、弥平とうがらし自身のストーリーだったり、脱サラした二人が立ち上げた農業の中で生まれたものといった面白さを大切にして、安売りは絶対しない方がいい」と助言をいただくことができました。さらに、その方が講演会等で弥平とうがらしについて話してくださったり、多くの周りの方から愛情を受け、その存在について広く知って頂けるようになりました。


仲間とつくりたいオレンジ色の街とは?


サラリーマンほど生活が安定しなくても、農業をしていてよかったと感じることは多々あります。大切にしていることは農家同士のつながり。一からスタートした二人を周りの農家さんや事業者さんが助けてくれています。



最近佐々木さんは「農業女子100人プロジェクト」を発起人となって立ち上げました。農業を経営している女性が集まる気軽な女子会がきっかけでした。結局みんな困っていることは同じ、という事を共有したり、個々の力は小さくても束になれば何か成し得るはず!自ずと良いものが集まる滋賀県農産物のセレクトショップ的存在になる!青空レストランをやってみたい!畑ヨガもいいね!などと話し合ったりして盛り上がっています。


今の目標は、湖南市をオレンジ色(とうがらし色)の街にして、それぞれの市で農産物を作っている農業女子を巻き込んで、滋賀県をカラフルな土地柄にすること。そして、今作りたいものは「チリビール」なのだそうです。佐々木さんは農業を続けている間に、農業的思考(他を受け入れる寛容性、地域と共にやっていく協調性)が出来るようになったそうです。



農業は、やり方次第でまだまだ可能性がある産業だと思っているし、もっと多様化していくべき。農業的思考みたいな考え方をどこかに取り入れてもらえたら、物事を柔軟性に捉えられます。自分たちが経験して得てきた情報は出し惜しみなく公開して、たくさんの仲間を増やしたいと考えています。少しでも農業をやってみたいと思う方がいたら是非飛び込んでください。と佐々木さんは仲間を募集中です。

新農業人スタートのメールマガジン!イベント情報などさまざまな情報をお届けします。